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京都大学学生チャレンジコンテスト(SPEC:Student Projects for Enhancing Creativity)

ナノ爆薬による1細胞手術-新しい薬物輸送法の確立

細胞内で爆発性分子をレーザー起爆し、脂質膜を「切開」、さらに外部分子を細胞内に「移植」します
申請者:理学研究科修士1回生 延山 知弘

   生きた細胞を小器官スケールで加工し、薬剤をはじめとする外部の物質を導入できる新手法を確立します。ナノ材料に取り込ませた爆発性分子をレーザーで起爆し、細胞小器官の膜を「切開」、外部分子を「移植」します。

 これまで細胞に直接入る物質は、細胞膜を透過できるものに限られていましたが、導入を阻む膜を一時的に除くことで、望みの物質を望みのタイミングで導入できるようになります。例えば、各種RNAを細胞内に効率的に「移植」できれば、新しい遺伝子治療法になります。

  お菓子の袋は破れても、小胞膜は破けない。ヒトの臓器は交換できても、細胞小器官は除けない。それは細胞小器官スケールでは、物理的な「力」を狙った場所に加えられないから。

  本プロジェクトでは、生体透過性の光(近赤外光)でナノ爆薬を起爆し、細胞内に局所的な「力」を加えることで、薬物輸送を阻む脂質膜を切り開くアプローチを提案します。

申請者:理学研究科修士1回生 延山 知弘

 「細胞内部を、手に取るように扱いたい」。細胞を扱う研究者なら誰でも一度は思うこと。そんなじれったさを、レーザー起爆による「手術」で克服します。細胞小器官を直接、物理的に扱うことで、基礎研究、医薬応用の双方を加速させたいと思います。

山極総長による寸評  

   爆発のコントールと同じ方法を使い、レーザー起爆によって細胞手術を行う。手術に「爆薬」という発想が、実にユニークだ。研究というのはおたく、そして1つの比喩から始まると思っているが、まさにその典型例だと感じた。失敗を恐れずにやってほしいし、すでに手応えを得ているということで、大いに期待している。