合成生物学の学生コンテストで世界の頂点に立つ

申請団体:iGEM Kyoto 2018
代表者:薬学部2回生 吉本 昂希

プレゼン技術の向上や積極的な実験室外活動に努め、
合成生物学世界大会でのファイナリストを目指す

 毎年アメリカ合衆国ボストンで開催されている、合成生物学学生コンテストの世界大会「iGEM」には、 各国から約350の大学が参加しています。iGEM Kyotoは10年前からこの大会に参加し、2016年度の金賞受賞をはじめ常に上位の成績を残してきたものの、いまだ参加者の中から3チームだけが選ばれる「ファイナリスト」入りを果たせていません。

 iGEM Kyotoは学部生が自主的に運営している団体で、実験に必要な試薬にかかる費用や、年々上昇する大会登録費などにより、財政的に圧迫された状態が続いています。そこでこのSPECで支援をいただき、2018年度こそファイナル入りを果たしたいと思います。

 2018年度は、炎症性腸疾患(IBD)の経口投与薬の開発を目指します。IBDは腸で起こる過剰免疫反応が原因とされる難病で、国内に20万人を超える患者数がいますが、いまだに効果的な治療法が確立されていません。 そこで私たちは、RNAi(遺伝子の発現を阻害する現象)による遺伝子ノックダウン手法を軸に、ターゲット遺伝子を定めて、具体的な実験内容を計画しているところです。



 この遺伝子ノックダウン手法は、2017年度に取り組んだテーマと関連しています。 2017年度はアジアやヨーロッパなどで問題となっている松枯れ病に注目して、原因であるマツノザイセンチュウがエサとする酵母を遺伝子操作し、マツノザイセンチュウの重要な遺伝子をノックダウンさせることに挑戦したのです。
 2016年度大会で指摘された、英語でのプレゼン技術の未熟さ、実験室外活動の少なさについても、改善に取り組んでいます。

 例えば、積極的に海外での交流会などに参加し、口頭発表やポスター発表を行うなど、実践によってプレゼン技術の向上にも努めています。大会での審査員経験のある本学の博士にも協力を仰いでいます。さらに、実験室外活動についても、プロジェクトの内容に関わる施設や団体を積極的に訪問し、取り組んでいる問題の現状を調査することで、プロジェクト内容の向上につなげています。
 悲願のファリナリスト入りのため、チーム一丸となって尽力していますので、ご支援のほどお願いいたします。