京大生チャレンジコンテスト(SPEC:Student Projects for Enhancing Creativity)

脳でオーロラは聞こえるか

オーロラから音が聞こえるメカニズムの解明へ。
その第一歩として脳にある分子が電磁波に反応するかの検証に挑む!
申請団体:オーロラの音に関する共同研究チーム
代表者:理学部2回生 藤田 菜穂
米国アラスカ州に観測に出かけた際に撮影したオーロラ

 オーロラから音が聞こえる!?――驚く方も多いかもしれませんが、 古くからオーロラの発生と同時に音が聞こえることがあると言われています。 ただし、この現象にはいくつか不思議な点があります。

 まず、オーロラは宇宙と地球の境界で起こる遠くの現象であり、 音は光よりも遅いので、オーロラと同時に音が聞こえるわけがないのです。 この謎を解明するべく、今までさまざまな仮説が提唱されてきましたが、 どれもオーロラの音のメカニズムを十分に説明しているとは言えません。 なぜなら、何とも奇妙なことに、オーロラの音は録音に成功していないからです。


 そこで私たちは、オーロラから生じている電磁波が直接脳に作用することによって、 脳が音と錯覚しているのではないかという仮説を立てました。 音波が発生していないのならば、録音に成功していないことにも説明がつきます。

 具体的には、脳にある「クリプトクロム」という分子が電磁波に反応しているのではないかと考えており、 世界でまだ誰もやったことのない、 ウイルスを用いたまったく新しい手法によってこの仮説を検証することにしました。 もしこの手法が成功し、「クリプトクロム」の機能が明らかになれば、 「オーロラから音が聞こえる」というこの非常に不思議な現象の解明につながります。

代表者:理学部2回生 藤田 菜穂
手前左から2人目はオーロラ研究の第1人者である赤祖父俊一先生。アラスカ大学の研究室を訪れた際の写真

 本プロジェクトが立ち上がる以前から、このグループの生物系のメンバーは、 「クリプトクロム」が電磁波に反応する可能性があると考えていました。一方、 オーロラに興味を持っていた物理系のメンバーは、オーロラから生じる電磁波によって音が聞こえるのではないかと考え、 議論を重ねていました。偶然、両者が自分たちの関心について話していた際、 お互いのアイデアを共有すれば新しい仮説を立てることができると気づき、 この共同研究チームを結成するに至りました。
 私たちは、生物学と物理学の知を集結させた学際的な視点で、オーロラの音の謎に挑みたいと思っています!