Vol.4 奨学生インタビュー

「興味があることはやってみる」雰囲気の中で勉強中

 海外の大学に入学したくて最初は英語圏を検討していましたが、情報収集をしている時に偶然、Kyoto iUPのことを知りました。留学生 向け学部課程プログラムですが、入学段階で日本語能力が問われない点は、日本語を勉強したことがない私には大きなポイントでした。
 とはいえ、京都大学が難関大学であることは知っていたので、とにかくチャレンジしてみようという程度の気持ちでした。合格した時は 驚きました。先にイギリスの大学にも合格していましたが、迷わず京都大学を選びました。


 Kyoto iUPでは学部入学前の半年間、予備教育として日本語を学びます。初めて学ぶ言語に戸惑うことも多く、コンビニで買い物をするだけでも緊張したものです。もちろん半年で習得できるものではないので、地道に勉 強を続けたいと思っています。
 京都は歴史ある町ということ で、排他的で独自の厳しいルールがあるという勝手なイメージを抱いていましたが、皆やさしく接してくれて、とても居心地のよいところです。
 各国から集まっているKyoto iUP生も、文化の違いはあっても普通の学生であることは変わりません。皆がまじめに勉強している姿が刺激となり、私も頑張ろうという気持ちになります。
 多様な人たちと交流する中で、自分の視野が広がったと感じます。自分とは違う考え方に触れた時、「なるほど、そんな考え方もある。そう考えたほうがいいかも」と素直に思えるようになりました。



 大学の学びはやるべきことがきっちり決められているものだと思っていましたが、京都大学はとても自由で、好きなこと、興昧があることはやってみたらいい、という雰囲気があります。私自身、幅広い分野に興昧を持って学んでいます。
 理学部は2回生の終わりに5つの系から1つを選択して専門化を進めます。私は生物学を学びたくて理学部に入学したので生物科学系に進む予定ですが、生物科学には動物学、植物学、生物物理学の専 門分野があります。生物物理学はたんぱく質などの分子や細胞の構造と機能をもとに生命硯象を究明する分野で、今のところ第一候補ですが、動物学も植物学も捨てがたい。最近受けた食品科学の授業もおもしろかったし、研究室選びは迷いそうです。
 将来の進路は決まっていません。大学院に進学したい気持ちも、早く就職したい気持ちもあります。研究者ではなく、学んだことを活かせる仕事がしたいですね。どんな業界であれ、日本をはじめ海外をフィールドに活躍したいと考えています。


(取材日:2023年8月)