風を見つけて高く遠くへ~トンビの飛行法を模倣したドローンの長距離飛行の挑戦

申請団体:ドローン・ディープラーニング研究会
代表者:農学研究科博士後期課程1回生 大西 信徳


気流をキャッチするトンビの飛行法を活用し
ドローンの長距離飛行に挑む

 ドローンなどの無人飛行機は現在、産業分野をはじめさまざまな分野での活用が広がっています。災害状況のチェック、工場屋根や太陽光パネルなどの設備点検、農薬散布などにとどまらず、買い物難民(買い物弱者)の問題に一石を投じる手段として、ドローン宅配の実証実験も進められています。
 一方で、研究の最前線でもドローンが使われていることをご存じでしょうか。ドローン撮影による野生動物の生態・行動研究などがそれですが、私自身も京都府南丹市美山町にある京都大学芦生研究林をフィールドにした森林植生研究を行っています。

 日々の研究でドローンを使用する中で不満に感じているのが、航続距離の短さです。小型のドローンが搭載するバッテリー容量には限界があり、姿勢維持にも多くのエネルギーを消費するため、航続距離や飛行時間が制限されてしまいます。これでは、ドローン宅配などの社会実装にあたっても大きなハードルとなるでしょう。

代表者:農学研究科博士後期課程1回生
大西 信徳

 なんとかドローンの航続距離を伸ばす方法はないものでしょうか。

 そこで、私たちが思いついたのが生物模倣(biomimetics)による航続距離の伸長です。ヒントとなったのが鴨川を飛んでいるトンビでした。よく観察してみると、彼らは羽ばたかずにずっと旋回しています。これは、上昇気流をうまく利用しているからです。しかも、ただ旋回するだけではなく、気流をうまくキャッチしてさまざまな円を描きながら上昇します。
 ドローンである地点まで飛行する場合、直線で結ぶことが最短ルートですが、長時間・長距離の輸送を行うには、トンビのように気流をつかまえて上昇し、風に乗って移動するほうがむしろ電力効率がよいかもしれないと、私たちは考えました。
 ドローンに人工知能を搭載し、風速・気圧センサーによってリアルタイムで上昇気流や追い風をキャッチするアルゴリズムを実装することで、長距離飛行に挑みます。

メンバー:農学研究科修士1回生
池端 隆彦

【具体的な計画】
 積載重量に制限のある小型ドローンにも搭載可能な超小型風速・気圧センサーと、そのデータを記録しリアルタイムで分析する小型コンピュータを使用します。
 また、複数のセンサーからの時系列データを総合的に分析するため、時系列ディープラーニング手法を適用します。これにより特徴を抽出し、高度や速度を高める要因の発生を予測するモデルを構築、モデルに基づいた最適な姿勢制御の実装を目指します。