GENERAL PURPOSE FUND

iPS細胞研究基金

iPS細胞研究の成果を一日も早く患者さんのもとへ届けるために

 2007(平成19)年、山中伸弥教授らの研究は、人間の皮膚細胞から神経や心臓などさまざまな細胞を作り出すことのできる新しい幹細胞、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の樹立に世界で初めて成功しました。iPS細胞は再生医療や新薬開発への活用が期待されています。iPS細胞研究所は、iPS細胞を用いた新たな治療法を今は治すことができない病気やケガに苦しむ患者さんへ1日も早く届けることを目指して、「iPS細胞研究基金」を創設しました。
 

 iPS細胞研究所では、病気やケガによって失われてしまった機能を回復させることを目的とした再生医療や、患者さんの細胞から作ったiPS細胞由来の細胞を用いて体の外で病態を再現し、難病の治療薬を探索する研究が進められています。
 現在、パーキンソン病、血小板減少症、卵巣がん、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、家族性アルツハイマー病等の臨床試験が進行しています。

 また、2030年までに以下の目標を設定し、iPS細胞のさらなる医療応用に取り組んでいきます。
  1. iPS細胞ストックを柱とした再生医療の普及
  2. iPS細胞による個別化医薬の実現と難病の創薬
  3. iPS細胞を利用した新たな生命科学と医療の開拓
  4. 日本最高レベルの研究支援体制と研究環境の整備

基金の使途

項 目

内 容

医療応用や革新的研究の支援

iPS細胞を用いた再生医療や創薬などの新しい医療を患者さんにお届けするための応用研究に加えて、革新的な基礎研究、萌芽的な研究などを積極的に支援します

優秀な研究者、研究支援者の確保

次世代を担う優秀な研究者を積極的に登用するほか、研究所を支える優秀な研究支援スタッフの雇用安定を目指します

知的財産(特許)の確保と維持

iPS細胞技術等を活用した基礎研究や応用研究に関する特許を確保し、非営利研究機関には無償で提供します

研究支援体制、研究環境改善の取り組み、情報発信・普及活動

研究所教職員の育成、設備の維持、リスク管理、広報・基金活動などの財源として、大切に活用します

iPS細胞研究所ウェブサイトは
こちらをご覧ください。



【これまでの活動報告】

 iPS細胞研究に温かいご支援を賜り、心から感謝申し上げます。皆様からのご寄付は各研究室の研究費や研究支援経費、若手研究者の育成、新しい研究室を立ち上げる際のスタートアップ支援、研究所の国際化推進、知的財産の確保・維持等に活用いたします。

 2022(令和4)年度も皆様からのご寄付のおかげで多くの研究成果をあげることができました。主な成果としては、ヒトのiPS細胞・ES細胞の生存に必要な遺伝子を発見することやiPS細胞から間葉系幹細胞の誘導方法を確立することに成功しました。また、脊椎性筋萎縮症における骨格筋病変の発症メカニズムの一部を解明しました。これらの知見が新たな治療法や薬の開発に貢献することが期待されます。

 さらに、2022年から筋萎縮性側索硬化症(ALS)の第2相治験を開始しました。1日も早く研究成果をお届けできるように教職員一同、全力を尽くします。

大学全体への寄付に関する詳細に関しては
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