GENERAL PURPOSE FUND

ウイルス・再生医科学研究基金

生命活動の神秘を解き明かし、未来の医療を切り拓く

 医生物学研究所は、世界に誇る輝かしい歴史の上に、さらなる独創的な研究を展開しており、世界のライフサイエンスを牽引しています。本基金は、そのような研究活動の支援を目的として設置されました。
 2016(平成28)年にウイルス研究所と再生医科学研究所が統合してウイルス・再生医科学研究所になり、改称により2022(令和4)年に医生物学研究所が誕生しました。

 「医学」はともすれば応用研究に偏りがちですが、大きな飛躍のためには「生命現象の原理の解明」が必要だと考え、本研究所は「生物学に根ざした医学」を基本理念としています。

 本研究所の特徴的な領域としては、ウイルス学・免疫学・幹細胞生物学・組織工学などが挙げられます。生物学に根ざしているがゆえに、これらの領域ではスケールの大きな成果が得られつつあります。例えば各種ウイルスの動態や構造の解明は、ワクチンや抗ウイルス薬の開発の原動力になっています。
 また、「多能性幹細胞由来T細胞によるがん免疫療法」の治験に向けての開発研究は、免疫学や幹細胞生物学の土台があってこその大発展と言えます。
 さらに医療用のES細胞の樹立と配布は、iPS細胞と並んで再生医療の根幹を成す、重大な事業です。  

野田教授のグループが撮影した
コロナウイルス
クライオ電子顕微鏡法で明らかにしたエボラウイルスの
コア構造

日本で初めて臨床利用を目的と
して作製されたヒトES細胞(KthES11)。すでにさまざまな
研究機関への配布が行われている

基金の使途

項 目

内 容

ウイルス研究支援

ウイルス病克服のための革新的研究の支援

再生医科学
研究支援

再生医科学推進のための萌芽的基礎研究の支援

幹細胞学研究支援

ヒトのかたちをつくる幹細胞学の独創的研究の支援

先端的研究支援

先端的分子生命科学研究設備・施設の維持と人材育成

情報発信の実施

ウイルス・生命情報・再生医学に関する情報発信・講演会等の実施

京都大学医生物学研究所ウェブサイトは
こちらをご覧ください。

【これまでの活動報告】
 本研究所の研究活動へのご寄付をいただき、誠にありがとうございます。所員一同、心より御礼申し上げます。

 2022(令和4)年度は医生物学研究所第16回公開講演会開催の際に募集活動を行いました。
 本研究所は多くの優れた医科学研究成果を挙げており、日本で初めて臨床利用を目的として本研究所で作成されたヒトES細胞(KthES11)は、すでにさまざまな研究機関への配布が行われ、再生医科学の実用化に貢献しています。

 また、2022年にはこれまで不明であった新型コロナウイルスのMタンパク質の分子構造を、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析の実施によって世界で初めて解明しました。この研究は、新型コロナウイルスの変異を受けにくい新しい治療薬の開発につながることが期待されています。
 ウイルス病の克服と再生医学の実用化を目指した研究活動を強力に推し進めるとともに、医学生命科学を担う優れた人材育成のために基金を活用できるよう取り組んでいきます。今後とも皆様の温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  

大学全体への寄付に関する詳細に関しては
こちらをご覧ください。