GENERAL PURPOSE FUND

東南アジア図書室保存基金

京都と東南アジアをつないで―図書室と資料を未来へ

 東南アジア地域研究研究所は、日本で唯一の東南アジア研究拠点です。その図書室は、東南アジア本国でも失われた希少資料を数多く所蔵しており、半世紀以上にわたって国内外の利用者の方々へ、学術研究・教育の場と史資料を提供してきました。
 図書室本館は、西陣織物産業の近代化を推進した京都織物株式会社を転用した歴史建築であり、明治近代建築の趣を今に伝えています。しかしながら、築130年以上を経て老朽化が進み、毎年修理しながら維持しています。さらに、貴重資料も年々劣化が進んでおり、少しずつ修復・デジタル化を進めています。  

 研究所では、京都と東南アジア、そして世界をつなぐこの巨大な知的集積を、未来へと受け継いでいく使命を担っています。図書室を歴史遺構や資料保存施設としてだけでなく、近現代アジアの歴史、社会、文化に関する情報を共有する場として、また、京都と東南アジアの架け橋として機能させることを目指します。
  寄せられた基金は、貴重な明治期歴史建築の維持とともに、次世代の人材育成、国内外の人的交流、国際情報発信を将来にわたり支えるべく、設備の充実や史資料の整備に活用していきます。
 

基金の使途

項 目

内 容

建物の保存・公開

建物修理費

資料の保存・公開

所蔵史資料の修復・保存と公開

東南アジア地域研究研究所ホームページは
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【これまでの活動報告】
 東南アジア地域研究研究所では、歴史建造物である図書室と、東南アジアの貴重な史資料を未来へと残すために、2023(令和5)年9月に国の登録有形文化財に申請し、また東南アジア図書室保存基金を新設しました。
 2024(令和6)11月に京都モダン建築祭で図書室と所蔵する東南アジア史資料を一般公開する見学ツアーを開催しました。この期間にあわせて、明治から現代に至る川端荒神橋界隈の建物や景観を、写真や京都工芸繊維大学建築研究科院生による建築ドローイング・模型を用いて展示しました。このほか、渋沢栄一が後に京都織物株式会社となる京都織物の設立・経営に関わったことに関連して、渋沢栄一研究をライフワークとされる京都産業大学経営学部の松本和明教授をお招きし、渋沢栄一と京都の近代産業との関わりについてご講演いただきました。
 これらの京都の近代産業遺産と、東南アジアの希少資料を広く知っていただく活動は、私たちにとってもその価値を改めて認識する機会となりました。引き続き歴史遺産と貴重な史資料を保存する活動を進めていきたいと思います。

大学全体への寄付に関する詳細に関しては
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